耐量子暗号への移行を検討するとき、候補となる方式を比較する前に、自分たちのシステムのどこで公開鍵暗号を使っているかを整理しておきたいところです。

標準の理解と、システムの移行を分ける

NISTは2024年8月に、ML-KEM、ML-DSA、SLH-DSAに関する最初の三つの耐量子暗号標準を公開しました。鍵を確立するための仕組みと、デジタル署名のための仕組みでは役割が異なります。NISTの発表

標準の公開は、利用している製品や接続先がすべて移行できるという意味ではありません。ここから先は、システムごとの確認が必要になります。

一覧に残す四つの項目

以下は、移行計画を作るための棚卸し案です。

項目 記録する例
利用箇所 通信、証明書、署名、鍵の保管
管理主体 自社、クラウド事業者、取引先
変更できる時期 更新時、製品の切替時、契約更新時
検証する相手 接続先、クライアント、運用担当者

まずひとつのサービスから、この一覧を作ってみます。暗号方式の名前が分からない項目があっても、管理主体が特定できれば、確認する相手を決められます。

検証の単位を具体的にする

「耐量子暗号に対応する」という大きな目標を、検証可能な条件に分けます。接続できるか、証明書を更新できるか、異常時に診断できるか。性能だけでなく、変更時の手順も対象です。

移行の優先順位には、情報を保護したい期間や、変更に必要な時間も関わります。期限を一律に決めるより、一覧にした利用箇所ごとに関係者と条件を確認するほうが、次の作業を決めやすくなります。

PRIMARY SOURCES

出典・参考資料

  1. NIST — First 3 Finalized Post-Quantum Encryption Standards www.nist.gov
#PQC#暗号#技術選定

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